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任意整理の流れとは?

任意整理は、個人再生や自己破産とは異なり、比較的費用がかからず、手続きなども難しくない債務整理の方法です。毎月の返済に追われ生活が苦しく、将来的な借金の返済目途が立つ人に適した債務整理の方法です。ここでは任意整理の流れについて、解説しています。

任意整理の流れと期間

任意整理は、弁護士や司法書士への相談から始まり、貸金業者との合意文書の作成、返済再開から完済という流れで進みます。任意整理の期間は、相談から合意までが「3カ月から6カ月」、過払い金の裁判になる場合は「6カ月から12カ月」です。また、返済再開から完済まで「3年から5年」です。ここでは、任意整理の手続きを詳しくみていきましょう。

参照元:これで解決! 債務整理(司法書士法人みつ葉グループ) 任意整理の流れと期間は?手続きで必要な書類や和解後の注意点も解説(https://mitsubagroup.co.jp/saimu-kaiketsu/ninniseiri/5431/)

1.任意整理の相談・依頼

債務整理を自分で手続きすることも不可能ではありませんが、貸金業者との交渉や裁判手続きになれば、素人では対応が困難。そのため、弁護士や認定司法書士(※債権額140万円以下の場合に限る)に債務整理を相談するのが一般的です。

弁護士等は相談者から現状をヒアリングし、相談者に適切な債務整理の方法を伝えます。相談者に任意整理が合っていれば、任意整理の手続き費用を提示。相談者が相談を行った弁護士等に依頼すれば、任意整理の委任契約が成立し、それから弁護士は任意整理の手続きの準備に入ります。

2.貸金業者への受任通知を送付・取引履歴の開示請求

弁護士等・司法書士の方が、依頼者への貸金業者の取り立てがいち早く止まるように、貸金業者に受任通知を送付します。この受任通知には法的効力が存在し、貸金業者が受任通知を受けた後の取り立ては違法となります。

同時に、任意整理を行うため、交渉先の貸金業者に取引履歴の開示請求を実施。取引履歴開示請求には、借入総額や返済履歴が記載されており、貸金業者は取引履歴を調査し、数週間から数カ月程度で取引履歴を弁護士等に返送します。

3.取引履歴をもとに引き直し計算

貸金業者から取引履歴が届いたら、弁護士等は利息の引き直し計算を行います。この利息の引き直し計算は、貸金業者が利息制限法を超える利息を取っていないかを算出する利息の再計算のことです。このとき、利息制限法を超えて払い過ぎていた過払い金も算出します。

引き直し計算にかかる期間は数週間程度です。弁護士等も引き直し計算が終わり、過払い金が発生しているならば、すぐに報告し依頼者を安心させます。

4.過払い金があれば返還請求

引き直し計算の結果、過払い金が発生していれば、過払い金返還請求が可能です。過払い金を請求するには、借入れ始めの時期、貸金業者の存続、時効でないなど、いくつかの要件があるため、弁護士等がその要件を確認します。そのうえで依頼者にメリットとデメリットを伝え、過払い金の請求を行うかの判断を仰ぎます。過払い金の請求が認められると、依頼者の借金の元金の減額も可能です。

過払い金返還請求が行える条件、住宅ローンやクレジットカードへの影響なども理解しておくことが大切です。

この過払い金の請求も依頼者に報告し、決定後に貸金業者に通知するのに数週間程度はかかるでしょう。

5.和解案を作成して交渉を行う

任意整理による借金の減額の可能性が分かったところで、弁護士等は和解案を作成します。任意整理による借金の減額は、将来の利息を減額することが主な内容で、通常は3年から5年の毎月の分割払いが一般的です。

参照元:借金減額は罠?制度の仕組みやデメリットと診断・シミュレーターのからくりを解説 | 弁護士法人・響(ひびき)(https://hibiki-law.or.jp/debt/hensai/5879/)

弁護士が作成した和解案をもとに貸金業者と交渉を行います。基本的に債務者である依頼者は、この交渉には参加しません。通常3カ月程度で和解に至りますが、和解に至らないときは特定調停での決着を図ります。

6.和解に至らない場合は特定調停へ

貸金業者との交渉で和解に達しないならば、簡易裁判所の特定調停に進みます。特定調停では、裁判官が仲裁に入り、貸金業者と債務者の合意形成を行います。弁護士は債務者の代理として、特定調停に参加。特定調停で和解に至れば、その和解に従い返済を行います。特定調停にかかる期間は、3カ月から4ヵ月程度です。

特定調停求が行える条件、住宅ローンやクレジットカードへの影響などをチェックしておきましょう。

参照元:司法書士法人はやみず総合事務所 https://www.sgho.jp/blog/chisiki/519(https://www.sgho.jp/blog/chisiki/519)

7.和解契約を締結し返済開始

裁判内以外の貸金業者との和解ができれば、和解内容に従って、債務者は借金を支払います。任意整理の場合は、3年から5年の返済期間が定められ、毎月の分割払いが一般的です。

参照元: 松谷司法書士事務所 5年を超える長期分割弁済の任意整理解決事例(https://saimuseiri.kabarai-sp.jp/niniseiri-example-longterm.html)

任意整理の流れをスムーズに進めるにはプロへの相談を

任意整理の手続きを個人で行うことも可能ですが、貸金業者との交渉を自力で行なう必要があり、多くの手間と心理的負担を伴います。また、貸金業者との和解に至らなければ裁判所の特定調停に進み、簡易裁判所の調停手続きも自分で行わなければなりません。

そもそも任意整理とは?任意整理を検討するのであれば、ぜひ知っておきたい基礎知識があります。

こうした観点からも、自力で行うよりも弁護士や認定司法書士(※債権額140万円以下の場合に限る)に依頼する債務者もいます。弁護士等の専門家に依頼するメリットについて解説します。

貸金業者との交渉に長けている

借金の減額に貸金業者が応じるかどうかは、過払い金の返還以外は任意です。素人が貸金業者と交渉しても、手間と心理的負担が大きく、確かな成果が出るとは限りません。

しかし、任意整理の経験豊富な弁護士や認定司法書士(※債権額140万円以下の場合に限る)であれば、貸金業者との交渉に精通しています。素人が行うよりも債務者にとって妥当な借金の減額が可能となります。貸金業者も相手を見て和解案を詰めていくため、交渉に長けた弁護士に依頼するだけでも、債務者に有利な和解ができるでしょう。

任意整理のほとんどの手続きを任せられる

任意整理の手続きは、最短3カ月ほど。特定調停になれば数ヶ月かかります。この期間中、債務者は任意整理の書類の整備から貸金業者と交渉まで行うことが必要です。任意整理成立後の借金の返済も続くため、仕事も疎かにすることはできません。弁護士や認定司法書士(※債権額140万円以下の場合に限る)に任せれば、書類の整備から貸金業者と交渉まで、ほとんどの手続きを任せることができます。債務者は、任意整理後の生活を見据えて仕事に励み、貸金業者に支払うお金の貯金に励めます。

参照元:特定調停と任意整理の違いとは?表を用いて解説|アディーレ法律事務所(https://www.adire.jp/keyword/tokutei/difference.html)

受任通知の送付で返済の督促が止まり、返済が一時ストップする

弁護士等が貸金業者に送付する受任通知には、取り立てを一時中止させる法的強制力があります。弁護士等に依頼せず、債務者が貸金業者と交渉している間も、貸金業者の支払いの督促は続くため、債務者は精神的圧迫から解放されることはありません。

無料相談を受けていることも多い

任意整理を考える債務者はお金の余裕はありません。弁護士や認定司法書士(※債権額140万円以下の場合に限る)もそのことは十分理解しています。弁護士等も債務整理の相談料を無料にしていることも多いです。また、弁護士会や司法書士会の無料相談会も開催されています。

費用の分割払いや後払いに応じてくれる場合もある

弁護士や認定司法書士への報酬も、柔軟に対応している事務所も存在しています。債務整理に対応する弁護士・認定司法書士事務所の中でも、費用の分割払いや後払いに応じている場合もあります。いくつかの債務整理を手掛ける弁護士・認定司法書士の事務所の報酬体系を確認すれば、柔軟な報酬体系の事務所も見つかるでしょう。

まとめ

任意整理は債務整理の中で比較的簡易な手続きですが、それでも素人が自力で行うにはハードルが高いといえます。任意整理の成功確率を上げ、債務者の手間や心理的負担を軽減するためには、弁護士や認定司法書士への相談をすすめます。弁護士等への相談は、債務者の任性整理の期間をできる限り短くし、債務者の生活再建への道のりを短縮してくれるでしょう。

任意整理を検討しているのであれば、まず弁護士や司法書士に相談をしてみましょう。