公開日: |更新日:

オンラインカジノの借金は債務整理できる?

目次

オンラインカジノで作った借金も債務整理による解決を検討できる

オンラインカジノで借金を抱えてしまい、「ギャンブルが原因だから自己責任であり、債務整理は利用できないのではないか」と不安を感じている方もいるでしょう。

しかし、借金の原因がオンラインカジノを含むギャンブルであっても、状況に応じて債務整理による解決を検討することは可能です。

債務整理とは、借金の返済負担を軽減したり、返済方法を見直したりするための法的手続きや裁判外での手続きの総称で、「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3つが代表的です。

利用できる制度や結果は、借金額や収入、資産状況などによって異なるため、自分だけで判断せず、弁護士などの専門家へ相談することが重要です。

オンラインカジノの借金が膨らみやすい理由

オンラインカジノによる借金は、ほかのギャンブルと比較して短期間で高額になりやすいケースがあります。

その背景には、スマートフォンなどから時間や場所を問わず利用しやすい環境や、各種決済手段の利用によって現金を直接使っている感覚が薄れやすいことなどが挙げられます。

また、「負けを取り返したい」という心理から追加で借り入れを行い、その借金を取り戻そうとしてさらにプレイを続ける悪循環に陥るケースも少なくありません。

クレジットカードのキャッシングや消費者金融からの借り入れを繰り返した結果、返済能力を超える借金を抱えてしまうケースもあります。

のめり込みやすい環境が借金を加速させることもある

オンラインカジノには、継続利用につながりやすい特徴があります。

  • スマートフォンなどから手軽にアクセスしやすい
  • 会員登録や再登録が容易なサービスが多い
  • 各種決済手段に対応しているサービスがある
  • ボーナスやキャンペーンなど継続利用を促す仕組みが採用されている場合がある

このような環境では金銭感覚が薄れやすく、「少しだけ遊ぶつもりだった」「負けを取り返せば終わりにするつもりだった」という状態から、多額の借金へ発展するケースもあります。

日本国内からオンラインカジノを利用して賭博を行うことは違法!

借金問題とあわせて理解しておきたいのが、オンラインカジノの法的リスクです。

警察庁は、海外で合法的に運営されているオンラインカジノであっても、日本国内から接続して賭博を行うことは犯罪になると注意喚起しています。

「海外サイトだから合法」「違法だと知らなかった」という理由だけで責任を免れられるわけではありません。

近年はオンラインカジノに対する取締りや摘発も進められており、利用には借金だけでなく刑事上のリスクも伴います。

なお、オンラインカジノの違法性と、借金について債務整理を利用できるかどうかは別の問題です。

自己破産はできない?ギャンブルによる借金と免責不許可事由

オンラインカジノによる借金は免責不許可事由に該当する可能性がある

自己破産は、裁判所を通じて借金の返済義務の免除(免責)を受けるための制度です。

破産法では、浪費や賭博などによって著しく財産を減少させたり、過大な債務を負担したりした場合は、「免責不許可事由」に該当するものと定められています(破産法第252条第1項)(※)。

そのため、オンラインカジノが原因で生じた借金についても、事情によっては免責不許可事由に該当する可能性があります。

裁量免責が認められるケースもある

もっとも、免責不許可事由に該当するからといって、必ず自己破産が認められないわけではありません。

裁判所は、借金に至った経緯や反省の程度、生活改善への取り組み、現在の家計状況などを総合的に考慮し、裁量免責(破産法第252条第2項)を認める場合があります。(※)

実際の判断は個別事情によって異なるため、自己判断せず弁護士へ相談することが重要です。

※参照元HP:破産法 | e-Gov 法令検索
https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000075

自己破産以外の債務整理(任意整理・個人再生)

将来利息などの負担軽減を目指す任意整理

任意整理は、裁判所を利用せず、債権者との話し合いによって返済条件の見直しを図る裁判外の手続きです。

将来利息や遅延損害金の減免などについて交渉し、合意が成立した場合は、残った元本を一般的に3年から5年程度で分割返済していきます。

通常は整理対象とする債権者を選択できるため、事情によっては住宅ローンなどを対象外とすることも可能です。ただし、自動車ローンなどは契約内容や所有権留保の有無などによって取扱いが異なります。

また、交渉結果は債権者の方針や個別事情によって異なるため、希望どおりの条件で合意できるとは限りません。

借金の大幅な減額を目指す個人再生

個人再生は、裁判所を利用して借金を法律上の基準に従って大幅に減額し、減額後の借金を原則3年(事情によっては最長5年)で返済する制度です。

借金の原因がオンラインカジノであることだけを理由に利用できなくなる制度ではありませんが、継続的または反復して収入を得る見込みがあることなど、法律上の要件を満たす必要があります。

また、再生計画は最低弁済額や清算価値保障原則などの法的要件を満たす必要があります。

住宅ローン特則の要件を満たす場合には、自宅を維持しながら生活再建を図れる可能性もあります。

借金を放置するとさらに状況が悪化するおそれがある

オンラインカジノによる借金を放置すると、利息や遅延損害金によって返済負担が増えるだけでなく、返済のために新たな借り入れを繰り返し、借金が雪だるま式に膨らむ可能性があります。

返済が困難になると、生活費が不足したり、家族や友人との金銭トラブルに発展したりするケースもあります。

さらに、長期間滞納が続けば、裁判手続や財産の差押えなどへ進む可能性もあります。

まとめ|オンラインカジノの借金は早めに弁護士へ相談を

オンラインカジノは利用しやすい一方で、のめり込みやすい環境から短期間で借金が膨らむケースもあり、日本国内から賭博を行うことは犯罪となります。

借金問題を放置すると状況がさらに悪化するおそれがあるため、一人で悩まず早めに弁護士などの専門家へ相談することが大切です。

弁護士が正式に依頼を受けて受任通知を送付した場合には、貸金業者は貸金業法などに基づく規制を受けるため、本人への直接の取立てや督促が停止されるのが一般的です。

また、状況に応じて任意整理・個人再生・自己破産など、適切な解決方法についてアドバイスを受けられます。

オンラインカジノが原因の借金であっても、状況に応じて法的な解決策を検討できる場合があります。返済に不安を感じている場合は、できるだけ早い段階で専門家へ相談し、自身に合った生活再建の方法を検討しましょう。

出典元

民事再生法 | e-Gov 法令検索
https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225
貸金業法 | e-Gov 法令検索
https://laws.e-gov.go.jp/law/358AC1000000032