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債務整理の方法のひとつである特定調停。このページでは特定調停ができない人や向いていない人について紹介しています。自分には特定調停が向いているのかを確認したい方は、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
特定調停とは?特定調停を行うための条件を知っていますか?
特定調停ができない、または向いていない人は下記のような人が考えられます。
安定した収入がない、また無職で収入がないなどで、特定調停で決められた毎月の返済額と期間で返済できない場合には、特定調停を行うことができません。特定調停を行い、双方が合意すると調停調書や決定書が作成されますが、これは給与の差し押さえ等ができる文書です。このことから、返済計画どおりに進められずに滞納してしまった場合には、給料や預金を差し押さえるといった強制執行が行われる可能性があります。
そのため、安定した収入がない場合には特定調停を利用することができません。
特定調停の場合は、支払い総額がほとんど減らないといったケースもありますので、大幅な減額を望んでいる人には向かない手続きであるといえるでしょう。特に、取引期間が短い場合や、利息が法定金利に近いといったケースにおいては支払いの総額があまり変わらない、という場合もあり得ます。そのため、自己破産や個人再生のように借金をゼロにしたり、大幅に借金を圧縮するといった効果はありません。
特定調停の場合は借金の金額は変わらずに分割回数をどれくらいにするか、といった内容で譲歩せざるを得ないケースもあります。
特定調停の申立を行った後は、およそ月1回のペースで期日が開催され、最終的には3〜4回の期日を経て調停成立となることが一般的です。ただし、債権者が多いとその分裁判所に足を運ぶことになります。また、裁判所への出廷は平日に行うことになりますので、仕事などの調整を行っておく必要があります。どうしても平日に出廷するのが難しい人は特定調停の利用が不可となります。
また、債権者である本人に代わって家族が特定調停の申し立てを行うことはできません。そのため、本人が時間がないなど何らかの理由があって申し立てができない場合には特定調停を利用できません。あくまで本人の生活再建が目的となっているため、自身で申し立てを行うことが求められます。
特定調停を申し立てたにも関わらず、債権者が返済計画案に同意せず話し合いがまとまらないという場合には、原則として特定調停は不成立となります。ただし、もし債権者の同意が得られなかった場合でも、解決のために調停委員会が適当な内容の調停条項を定めた決定を出すことができます。このことから、この決定によって調停が成立するといったケースもあります。
もし長期間返済を続けているなどで過払い金が発生している可能性がある場合には、特定調停よりも任意整理の方が向いているといえるでしょう。これは、特定調停では過払い金の請求はできず、別途手続きが必要であるため。任意整理を弁護士や認定司法書士(※債権額140万円以下の場合に限る)に依頼した場合には、借金の減額と過払い金請求の交渉や手続きも進めることができます。
「過払い金があるのでは」と考えている方は、過払い金返還請求が行える条件をチェックしてみましょう。
特定調停の場合には、債務者と債権者の間に調停委員という存在がいますが、あくまでも中立という立場となっているため、債務者に有利になるように話を進めてくれるわけではありません。
反面、任意整理では弁護士や認定司法書士は依頼人の利益のために交渉を行ってくれます。そのため、プロのサポートを受けながら交渉を進めたいと考えている場合には特定調停は向いていないといえるでしょう。
任意整理も検討するのであれば、まず弁護士や司法書士に相談をしてみましょう。
特定調停ができない人や向いていないと考えられるのはどんな人なのかをご紹介してきました。それぞれの手続きにはメリットとデメリットがありますので、よく検討した上でどの債務整理方法を選ぶかを考えると良いでしょう。ぜひさまざまな情報を集めて、検討してみてください。