公開日: |更新日:
店舗への分割払いをローン会社が立て替えてくれるショッピングローンですが、クレジットカードの分割払いとの違いは、個別契約であること。個別契約であるため、債権者のローン会社の貸倒れリスクは小さくなります。ここでは、ショッピングローンの債務整理について解説しています。
ショッピングローンは個別契約で、カードローンやクレジットカードの分割払いとは仕組みが異なり、通常の債務整理ができないと考える人もいるでしょう。しかし、ショッピングローンの返済が難しくなった際に通常の債務整理をすることは可能です。ショッピングローンも金銭債務であることは変わらないためです。また、支払い先の小売店とローン会社が契約しているため、債務整理を拒否される可能性も高くはありません。
ショッピングローンも債務整理の対象になることは分かったところで、適切な債務整理の方法について考えてみましょう。
債務整理には、任意整理、個人再生、自己破産がありますが、債務の状況によって適切な方法をとることが大切です。それぞれの債務整理の方法で、適用条件やメリット・デメリットがあります。ここでは、ショッピングローンの状況に合う債務整理の方法について考えていきます。
任意整理は、借金の利息を債権者から免除してもらい、元本を分割払いする裁判外の債務整理方法です。小口の債務整理に合う制度であるため、比較的簡単な手続きと短期間で債務整理ができることが特徴です。
ショッピングローンの債務整理の場合は、手数料の返済が苦しい場合に検討するとよいでしょう。ショッピングローンの手数料もカードローンの金利と同額程度です。任意整理を利用してショッピングローンの債務整理を行うには、ローン会社と交渉が必要です。この交渉で手数料のカットや毎月の分割払いのリスケを行います。交渉が成立すれば、ショッピングローンの将来利息を圧縮した残債を分割払いしていきます。しかし、将来的な返済の見通しが立たない場合や他に借金がある場合は、個人再生や自己破産の手続きをとることになります。
ショッピングローンには手数料無料のものがあります。手数料無料のショッピングローンを複数回利用してしまい、返済が苦しくなった場合は、個人再生が向いています。個人再生は、将来の利息の圧縮だけでなく元本の一部も免除可能です。借金を大幅に減額できる個人再生ですが、裁判所に申し立てが必要です。手続き期間も任意整理のように短期間ではなく、裁判所に再生計画を認めてもらうことが必要です。また、住宅ローン特例を活用すれば、住宅を残すことも可能。個人再生が裁判所に認められると、圧縮された借金を毎月分割払いで返済していくことになります。
ショッピングローンの負債額に応じて、最低弁済額が決まります。この最低弁済額は100万円以下である場合は個人再生の利用に価値はありません。また、最低弁済額を財産の総額である清算価値が大きい場合は、清算価値までの返済が求められます。
ショッピングローン以外にも、他の債務が複数あり、個人再生のような債務の圧縮後の返済計画が立てられない場合は、全ての債務が原則免除される自己破産を検討することになります。自己破産の手続きは裁判所に申し立て、債務の支払いが不能である理由を示すことが必要です。病気や事故によるローンの支払いができないなど、債務の免責に合理性があることが必要ですが、裁判官の裁量でも自己破産は認められます。
しかし、ショッピングローンを1回も返済していないなどの事由があるならば、詐欺破産とみなされ、免責されない可能性もあります。ショッピングローンを組むとき、収入を偽って通知するなどは、大きな問題に後に発展することも。また、高額なブランド品などは、自己破産時に差し押さえの対象になります。
ショッピングローンの債務整理でも、クレジットカードの債務整理と同様の影響が出ます。それは、任意整理、個人再生、自己破産と債務整理の種類に関係しません。ここでは、ショッピングローンの債務整理の影響について考えていきます。
ショッピングローンも他の債務整理と同様に、個人信用情報機関のブラックリストに一定期間掲載されてしまいます。使用中のクレジットカードが、カード会社の規約違反で解除され、クレジットカードの新規作成も難しいでしょう。また、奨学金の保証人になれないことや少額の賃貸住宅契約に影響がでることもあります。
しかし、このブラックリスト掲載期間は5年~10年程度で解除されます。ブラックリストから解除されれば、一定の収入などの適切な条件が整うことで、債務整理前と同じようにクレジットカードの契約もできます。
ショッピングローンの債務整理の場合、ショッピングローンで購入した商品をローン会社に差し押さえられる可能性もあります。ショッピングローン契約では、商品の代金をすべて支払うまで商品の所有権はローン会社のものと規定しています。現在では、中古品の販売市場も豊富で、換価できる可能性が高いからです。ローン会社の差し押さえ前に転売した場合、契約違反に問われるだけでなく、大きなトラブルに発展する可能性もあります。
ショッピングローンも、他の借金と同様に債務整理は可能で、条件にあわせて任意整理、個人再生、自己破産で条件の選択ができます。任意整理は、ショッピングローンの将来の手数料をカットし残額を返済。個人再生は、手数料だけでなく元本をカットすることができますが裁判所の手続きが必要です。自己破産は、全ての借金を原則免除できます。
ショッピングローンの債務整理は可能ですが、個人信用機関のブラックリストに掲載されるため、クレジットカードの使用などに影響が出てきます。ショッピングローンで購入した商品を差し押さえられることもあるので、債務整理の前に影響を確認しておきましょう。
ショッピングローンの債務整理で分からないことがあるならば、弁護士や司法書士に相談してみてはいかがでしょうか。ショッピングローンの状況に合う債務整理の方法を教えてくれるでしょう。