公開日: |更新日:
過払い金請求を行うにあたり、過払い金請求の対象にならないのはどんな人なのか、という点についてまとめています。自分は過払い金の変換請求ができるのかどうか気になっている方は、ぜひ参考にしてみてください。
業者からお金を借りた全てのケースで過払い金が発生するというわけではなく、過払い金の請求を行うためには一定の条件を満たす必要があります。具体的にいうと、下記のような条件に当てはまる場合には過払い金の請求が行えません。
たとえ借金をしていたとしても、例えば利息制限法の範囲内で借金しているケースでは過払い金は発生しません。例えば、銀行のカードローンや住宅ローン、奨学金や日本政策金融公庫からの借り入れをしている場合などもこのケースに当てはまります。
特に住宅ローンや車のローン契約の場合、カードローンや消費者金融などの金利と比較すると低い金利で貸付を行っているため、過払い金が発生することはありません。また奨学金などの金利も利息制限法の上限を大幅に下回る金利で借りることができるため、同様に過払い金は発生しません。
また、クレジットカードのショッピング枠を利用した場合も過払い金が発生しませんので、返還請求を行うことができません。これはショッピング枠を利用した場合、カード会社から借金をしたわけではないためです。そのため、こちらのケースについては貸金業法は適用されないということが金融庁のホームページにも記載されています。
※参照元:金融庁 貸金業法Q&A(https://www.fsa.go.jp/policy/kashikin/qa.html)
過払い金の返還請求は、お金を借りた貸金業者から過払いとなっている分のお金を回収します。そのため、貸金業者が倒産している場合には過払い金返還請求を行うことができません。近年過払い金の返還請求が増えることにより、倒産する貸金業者も多くなってきています。
このことから、自分が過払い金返還請求の対象であることがわかった場合にはすぐに請求を行いましょう。
過払い金の返還請求ができる期間は、「完済してから10年」と決められています。この期間を過ぎてしまうと過払い金を変換してもらう権利を失ってしまいますので、早めの請求が必要となります。
基本的には、借金をした本人(名義人)が過払い金返還請求を行うことになりますが、なんらかの事情によって請求手続きが行えないというケースもあるかもしれません。ここでは、ケース別に過払い金返還請求ができる人について見ていきましょう。
借金をした本人が亡くなっており、過払い金がある場合には財産となるため法定相続人によって過払い返還請求を行うことができます。故人の過払い金について返還請求を行う場合には、法定相続人全員からの申し込みを行うことが基本とはなりますが、法定相続人全員からの申し込みが難しい場合には、申し込みを行った人の法定相続分のみの請求が可能なことがありますので弁護士に相談してみましょう。
名義人以外の人が返済を行っていたケースにおいても、過払い金の返還請求ができるのは原則として名義人のみということになっています。ただし、名義人以外の第三者が返済した部分については、その返済した人が過払い金の変換を受ける立場にあると考えることもできます。そのため、名義人以外の第三者が借金の返済を行っていた場合には、名義人が貸金業者から過払い金の返還を受けられない可能性があるといえるでしょう。
また、こういったケースでもし名義人が過払い金の変換を受けられたとしても、返済を行った第三者が名義人に対して返還された過払い金(全額または一部)の引き渡しを請求してくるという可能性もあります。
過払い金返還請求を行う場合には、署名や意思確認については可能な限り本人との間で行われます。ただし、病気や障害などがある場合には、連絡などについては本人の承諾のもとで家族などが代わりに対応することが可能な場合もあります。
そのため、名義人本人による対応が難しいといったケースについてはまずは弁護士事務所などに相談することをおすすめします。
この記事では、過払い金返還請求ができない人はどのような人なのか、という点についてまとめてきました。自分で過払い金返還請求ができるかどうかを判断するのは難しいこともあります。そのようなときには弁護士や司法書士に相談すると良いでしょう。