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借りたばかりの債務整理

借りたばかりでお金が返せない時の対処法

借りたばかりでお金が返せない場合は、いきなり債務整理を考えるのではなく、返済できる方法を考えるところからスタートしましょう。返済方法がないときには債務整理の検討が必要です。ここでは、対処方法を優先順位で紹介します。

返済日を相談する

返済できないのが一時的なことなら、収入予定を伝えることで待ってもらえる可能性が高いです。お金を借りている会社に相談してみてください。「来月の給料日」「ボーナス日」など、返済できる日程を伝えることが大切です。

アルバイトなどで収入を増やす

給料が減ったなどの事情で返済が滞るなら、アルバイトなど副業で収入を増やすことを検討してください。アルバイトの給料が入るまでは、返済を一旦待ってもらえる可能性もあります。月々いくら収入が増えれば返済できるのか、計算してみましょう。

返済見込みが立たない場合は司法書士か弁護士に相談

返済の見込みが立たない場合は、債務整理を検討します。返済できないのであれば、一人で考えても解決方法は見つかりません。解決できる人に相談することが大切です。一般的な債務整理方法は、任意整理、個人再生、自己破産。住宅ローンがある場合は、任意売却も選択肢に入ってきます。

相談先は、借入金額が1社140万円以内なら司法書士か弁護士、140万円を超えるなら弁護士です。債務整理をするなら早い方がいいので、返済できないと分かったらすぐに相談しましょう。

借金生活脱出を望むなら、まずは弁護士に相談することが大切です。

取引期間が短い借金でも任意整理は可能

任意整理の条件に借入期間はありません。手続き上、借りたばかりでも任意整理の着手は可能です。ただし、任意整理は、債権者との和解という手続きのため、債権者が交渉に応じてくれるかは別問題。借入後すぐに任意整理すると、「最初から返済しないつもりだったのでは?」と疑われるかもしれません。

返済するつもりがなく借りたのであれば、詐欺罪に問われる可能性があります。借入する際に提示した情報(収入や他の借入額など)に虚偽があれば、一括返済の対象となり任意整理に応じてもらえない可能性も高いです。

任意整理とは?任意整理を検討するのであれば、ぜひ知っておきたい基礎知識があります。

借入後にリストラにあった、家族が病気になったなど、事情が変わって返済できなくなったということなら、その事情を丁寧に伝えることで、債権者の理解を得られる可能性はあります。

任意整理は、相手の同意がないとできません。借りてすぐの任意整理は簡単ではないことは認識しておきましょう。債権者の同意が得られず、どうしても返済の見込みがたたない場合は、個人再生や自己破産などを検討することになります。借金問題は、解決手段が必ずあるので安心してください。

個人再生と自己破産はどちらも債務整理の方法であり、それぞれメリット・デメリットがあります。

取引期間が短くても任意整理をする意味

任意整理すると、返済総額が少なくなる、もしくは月々の返済が楽になるという効果があります。

任意整理では、元本を減額してもらえることはほとんどありません。減額の対象は主に利息です。または、返済期間を長期化して月々の返済を楽にする交渉も可能です。

そもそも取引期間が短いということは、将来の利息分が大きいということ。利息が減額できれば、返済総額を大きく減額できます。また、2年で返済する契約だったものを3年や5年で返済していくという契約に変更すると月々の返済負担を軽減可能です。

任意整理で求められる条件

任意整理で求められる条件は、「返済能力」と「返済の意思」です。完済できる定期的な収入があることを証明する必要があります。返済の意思を疑われると、交渉に応じてもらえません。

取引期間が短い借金を任意整理すると、どうなる?

取引期間が短い借金を任意整理した場合は、支払い総額が減ります。

たとえば、借入額200万円で金利15%のリボ払い(元利定額方式)で支払っている場合、普通に返済すると以下のようになります。

  • 返済回数:70回(5年10ヶ月)
  • 利息総額:1,012,702円
  • 支払い総額:3,012,702円
  • 月々の返済額:43,038円

任意整理の一例として、以下のような和解が可能です。

  • 返済回数:60回(10回短縮)
  • 利息総額:0円
  • 支払い総額:2,000,000円(元本のみ)
  • 月々の返済額:33,333円

支払い総額と月々の返済額がともに減っているので、負担が大幅に減っています。債権者にとっても、利益はでませんが元本は回収できるので、大きなダメージを避けられる点はメリットです。

任意整理と聞くと、過払い金返還が思い浮かぶ人もいるかもしれません。利息制限法の上限利率を超える利息の契約があれば、再計算をして過払い金が返還してもらえます。しかし、取引期間が短い場合は過払い金が発生する可能性は基本的にありません。そのため、取引期間が短い借金の任意整理では、将来の利息をカットしてもらう交渉になることがほとんどです。

裁判所を通さない交渉なので、債権者によっては和解交渉を渋られる可能性はあります。特にまだ一度も返済していない場合は応じてもらえないかもしれません。交渉に応じた方が良さそうだと感じられるよう誠意ある交渉を提案することが大切です。

取引期間が短い借金の任意整理は、弁護士・司法書士に相談を

取引期間が短い借金は、任意整理を渋られる可能性があります。しかし、弁護士や司法書士に相談すれば不可能ではありません。借入後に事情が変わり予定通りの返済が難しくなったのであれば、任意整理を検討してみる価値があります。ただし、状況によっては、任意整理が向いていないかもしれません。債務整理の方法は任意整理以外にもあります。任意整理の交渉をする場合でも、他の方法を検討する場合でも、必要なのは信頼できる意見。弁護士・司法書士に相談して、自分に合った問題解決方法を提案してもらいましょう。

任意整理は他の債務整理方法と比べて柔軟な解決が可能ですが、そのリスクも知っておくべきです