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このページでは、特定調停を検討する際にあらかじめ知っておきたい基礎知識についてまとめています。特定調停を利用するための条件を始め、特定調停を行った後の住宅ローンやクレジットカードの扱いに関する情報も紹介。さらに、特定調停を利用できない方や向いていないと考えられる方についてもまとめていますので、自分の状況には特定調停は適しているのかどうか、という点を考えながらチェックしてみてはいかがでしょうか。
特定調停では、原則として、債権者(借入先)の住所・居所・営業所・事務所等の所在地を管轄している簡易裁判所に申し立てを行います。
債権者が東京であれば、そこを管轄する裁判所である「東京簡易裁判所」に申し立てをするということです。(※例外もあります)
東京簡易裁判所 | |
所在地 | 東京都千代田区霞が関1‐1‐2 |
電話番号 | 03‐3581‐5411(代表) |
東京簡易裁判所 墨田庁舎 | |
所在地 | 東京都墨田区錦糸4‐16‐7 |
電話番号 | 03‐5819‐0267(訟廷事務室) |
複数の債権者がすべて東京であれば、当然、東京簡易裁判所に申し立てを行います。特定調停は1つの手続きで行われ、債権者ごとに手続きしなければいけないということはありません。
では、債権者がそれぞれ別の地域にある場合はどうすべきなのでしょう?
その場合は、最も多く債権者が所在する地域を管轄している簡易裁判所に申し立てれば大丈夫です。その裁判所でまとめて特定調停を行えます。
(もし債権者が全部バラバラ…という場合は、借金の金額が一番多い債権者の所在地を選べばよいでしょう。)
ただ、大手貸金業者などの場合はたいてい主要都市に営業所を持っているため、主要都市を管轄する簡易裁判所に申し立てれば、問題ないことがほとんどです。
弁護士が債務者の代理人になり債権者と和解交渉を行う任意整理(私的な整理方法)に対し,特定調停は、裁判所が仲裁役となる公的な手続き。裁判所が債務者と債権者の間に入って、和解成立を支援します。
特定調停により合意が成立すると裁判所は「調停調書」を作成しますが、これは「判決」と同じ効力を持ちます。そのためもし合意どおりに支払えなかった場合は、債権者は給料差押えなど強制執行を行うことも可能(任意整理による和解書は、判決のような効力を持ちません)。
また、任意整理との大きな違いとして、“取り立てが止まる時期”も挙げられます。弁護士に依頼すればすぐに取り立てが止まる任意整理に対し、特定調停の場合は取り立てが止まるまでに相当の期間がかかります。
メリットとして挙げられるのは、費用が抑えられること。
しかし、手続きが煩雑で申立人の負担が大きく、過払い金返還請求は別途行う必要があるなどデメリットも多いため、申立件数は減少しているのが現状です。
それでは、特定調停の具体的な流れや費用を見てみましょう。
申し立てをする簡易裁判所の窓口で、特定調停の手続きについて相談しましょう。必要書類や費用なども教えてもらえます。
簡易裁判所に提出する申立書を作成します(申立書には各種書類の添付が必要です)。
簡易裁判所に申立書を提出します。必要な添付書類や手数料(収入印紙)、郵券(郵便切手)も一緒に提出しましょう。
裁判所から各債権者へ、特定調停の開始が通知されます。この通知がなされると、取り立てはストップします。また同時に、債権者に契約書類や取引履歴の提出が請求されるほか、第1回の調停期日も設定されます
通常は債務者のみ呼び出され、調停委員と債務の状況や返済計画について話し合います。
債権者も呼び出され、返済計画や条件について話し合いが進められます(貸金業者などは出頭してこないことが多く、電話で話を進めるケースが多い)。第2回期日で話がまとまれば合意内容が調停調書に記載され、調停は終了。まとまらなければ3回、4回と続いていきます。
話し合いがまとまったら、裁判所がその結果をまとめた調停調書を作成。これに沿って返済を行っていくことになります。(※話し合いがつかなくても、裁判所が妥当と判断する返済条件で決定をする場合があり、「17条決定」と呼ばれます。)
個人が東京簡易裁判所で特定調停を行う場合にかかる費用は以下のとおりです。
裁判所により若干費用が異なることもありますが、基本的には安く抑えられるのが特定調停のメリットです。
特定調停を利用したい場合には、まず自分が特定調停を利用できる要件を満たしているかを確認する必要があります。特定債務者であること、また特定調停手続により調停を行うことを求める旨の申述をすることが特定調停を利用する条件となります。
特定調停を行った後には住宅ローンや車のローンを組むことができるのか気になる方も多いでしょう。この記事ではそのような疑問にお答えしています。合わせて特定調停のメリットやデメリットについてもまとめていますのでチェックしてください。
特定調停を利用したいと考えていても、状況によっては利用できない、または向いていないというケースもあります。例えば安定した収入がなく決められた返済計画を守れないといった場合などには特定調停を利用するのが難しいといえるでしょう。
特定調停を行った後は、信用情報機関に事故情報として登録されてしまうことから、一定期間クレジットカードの利用も新規作成もできなくなります。特定調停を検討する場合には、この点についても考慮に入れておく必要があります。
特定調停を行った場合に家族に影響を与えることがあるのか、という点についてまとめています。どのようなケースでは影響が出る可能性があるのか、また特定調停を行っていることが家族に知られる可能性などについて紹介。
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