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任意整理とは?【弁護士監修】

任意整理とは、利息カットや分割払いなどによって債務を軽減する手続きのことです。ここでは、東京スカイ法律事務所の田中健太郎先生の監修・解説のもと、任意整理についてわかりやすく解説しています。

目次

【監修】東京スカイ法律事務所の田中健太郎先生
田中健太郎 先生

債務に苦しむ方の立場になって解決に導く、
物腰やわらかな弁護士

田中先生は、東京スカイ法律事務所の代表を務める弁護士。債務に苦しむ方の気持ちを少しでも軽くしたいと、親身になって相談にのっています。

「弁護士に相談するのは気が引ける」という方も、気軽に相談できる体制づくりに配慮しており、無料の弁護士相談やLINEでの相談受付も実施。優しさ溢れる弁護士です。

田中先生の経歴
  • 平成14年1月 東京大学医学部健康科学看護学科中退
  • 平成15年11月 司法書士試験合格
  • 平成15年11月 都内の司法書士事務所において勤務し、多数の不動産登記、商業登記案件の他、会社設立等の企業法務に携わる。
  • 平成16年1月 行政書士試験合格
  • 平成18年11月 司法試験合格
  • 平成19年4月 司法研修所入所(旧61期)
  • 平成20年9月 弁護士登録
  • 平成20年9月 都内の大手弁護士法人で勤務を開始。多数の相続・債務整理を初めとする一般民事事件や、デューデリジェンス等の企業法務、ライブドア株主集団訴訟等を担当する。
  • 平成23年9月 東京スカイ法律事務所を設立
田中先生在籍の東京スカイ法律事務所の基本情報
事務所名 弁護士法人 東京スカイ法律事務所(所属弁護士会:第一東京)
代表弁護士 田中健太郎(所属弁護士会:第一東京)
所在地 東京都中央区京橋二丁目12-9 ACN京橋ビル601
アクセス JR各線 東京駅 八重洲南口 徒歩11分
東京メトロ銀座線 京橋駅4番出口 徒歩2分
都営浅草線 宝町駅A5出口 徒歩1分
東京メトロ有楽町線 銀座一丁目駅7番出口 徒歩7分
電話 0120-0505-90

田中先生が教える、任意整理について

任意整理とは

―――債務整理の中でも任意整理はどういうものでしょうか?

任意整理とは裁判所を介さずに直接債権者と利息のカットや長期分割払いなどの交渉をし、債務の負担を軽減させる手続きのことです。

利息制限法の上限を超えて利息を支払っているような場合は、借金がゼロになったりまたは過払い利息を請求できるケースも中にはあります。

※経過利息等の利息が付き、元本のみの支払いで和解できない場合があります。
―――任意整理するには何か条件はあるのですか?

任意整理するには3つの条件があります。

  1. 原則3~5年以内に完済の見込みがあること
  2. 安定した収入があること
  3. 今後も返済を継続する意思があること

原則、安定した収入があることが必要となります。収入から必要な生活費を差し引いた金額から借金返済を行うので、この金額を十分確保できることが理想です。

住宅や車のローンを除いて他の業者だけ任意整理したり、お金を借りてすぐに任意整理をしたりすることも、交渉次第で対応することができます。

任意整理のメリットデメリット

―――債務整理の中でも任意整理するメリットは何でしょうか?

任意整理では基本的に借金の利息をカットすることができますので、借金を元本のみに軽減できます。これにより月々の返済負担も軽くなり、完済を早めることができるでしょう。

また、裁判所を介さないため書類の準備が必要なく、手続きが簡単なのもメリットの一つです。コストも他の債務整理と比べるとリーズナブルで、時間と費用の負担を抑えながら債務整理が行えます。さらに、マイホームや車といった財産を処分される心配もありません

―――任意整理することによるデメリットはありますか?

任意整理の場合は、自己破産や個人再生と比べて債務の減額が少ないことがデメリットとして挙げられます。仮に負債額が大きいと、任意整理したとしても支払いが難しい場合もあるでしょう。

また、他の債務整理と同様に信用情報機関の事故情報(ブラックリスト)に登録されてしまいますので、3~5年はクレジットカードの作成や新規の借り入れができなくなる点も注意が必要です。

任意整理は他の債務整理方法と比べて柔軟な解決が可能ですが、そのリスクも知っておくべきです

―――田中先生がこれまで任意整理を行った事例について教えてください。

ショッピングが原因で借金し任意整理した事例、生活費のために借金し任意整理した事例を紹介しますね。

CASE1:ショッピングで借金し、任意整理した事例

▼依頼者の状況

依頼者 20代女性
借金理由 衣類や日用品等の買い物や、引っ越しの際に家具や家電をクレジットカードで購入。徐々に負債が増え、気づけば240万円近い負債になっていた。
借金額 240万
借入先 6社

▼弁護士の対応

依頼者が保険会社で働いており、自己破産すると生命保険の募集の仕事ができなくなることから、任意整理で契約しました。

毎月4万円ずつを5年間で支払う形で各社と和解ができ、無事に毎月の支払いを減額することができました。

CASE2:生活費で借金して任意整理した事例

▼依頼者の状況

依頼者 30代男性
借金理由 歩合給の部分が月によって安定せず、収入が不安定な状況に。時折生活費の不足分をクレジットカード等で補うようになり、合計120万円近い借金をかかえてしまった。
借金額 120万
借入先 2社

▼弁護士の対応

自己破産する程の借金額ではなかったため、任意整理で契約。私から直接債権者とのやりとりを行いました。

結果、毎月2万円ずつ、5年間支払う形で和解ができ、毎月の支払額を減額することができました。

借金している金額や仕事の内容により、債務整理のなかでもどの手続きが適切なのか変わってきます。どの手続きがベストなのかわからない場合は、まずは弁護士に相談していただければと思います。

カードローンの返済ができない場合、任意整理に至る以前に起こること、できることを解説します

任意整理でよくある質問

―――任意整理したことは、会社や家族にばれることはないのでしょうか?

結論、家族にも会社にもばれるリスクは低いでしょう。

任意整理は手続きを進めるにあたり、裁判所を利用せずに直接債権者と交渉を行います。そのため、裁判所を利用する個人再生や自己破産のように、家族の給与明細等の書類を送付する必要がありません。よって任意整理は家族に協力してもらうことがないため、ばれてしまうリスクも低いといえます。

さらに、個人再生や自己破産の手続きでは「官報」(国が発行する新聞のようなもの)に氏名や手続き内容が掲載されますが、任意整理ではそのようなことはなく、「官報」を通して家族や会社にばれることもありません。

―――任意整理と個人再生の違いを教えてください。

任意整理が、手続き後の借金の利息をなくす手続きであることに対して、個人再生は、今の借金(元本)を減額することができる手続きです。

個人再生の方が借金そのものを大きく減らすことができますが、家族が保証人の場合は借金の存在をばれてしまったり、費用も多くかかります。メリットデメリットをしっかり理解した上で、適切な方法を吟味することが大切です。

任意整理と個人再生はどちらも債務整理ですが、それぞれのメリット・デメリットがあります。

―――任意整理の手続き期間はどのくらいでしょうか?

任意整理を手続きするのにかかる期間は、3~6か月程度になります。交渉がスムーズに進めば、もっと早く手続きが終わるケースもあります。

任意整理の流れは、弁護士や司法書士への相談、貸金業者との合意文書の作成、返済再開から完済です。

―――任意整理の交渉をしても、和解出来ないケースもあるのでしょうか?

担保が設定されているようなケースや和解の条件が厳しいケースは、任意整理したとしても和解が不成立となる可能性が高いです。

任意整理は基本的に債権者の同意が必要となるため、申し出を拒否されれば任意整理することはできません。任意整理はあくまで、債権者と「話し合い」で解決する方法であって、自己破産のように「法律の効果」で債権者に強制的に債務を免除させるような解決方法ではありません。

しかし実際、任意整理に応じない業者はほとんどいません。借金額が大きくなる前に専門家へ相談することをおすすめします。

田中先生からメッセージ

―――最後に負債を抱えて行き詰まりを感じている方へお伝えしたいことはありますか?

借金を抱えると、周りに相談しづらく、一人で悩みを抱えてしまう方もいらっしゃると思います。任意整理が適切なのかも判断が難しい場合もあるでしょう。

もし、借金の返済が難しいと感じていらっしゃるのなら、まずは弁護士を頼って相談いただければと思います。解決のための糸口を見つけ、借金のない生活を送る手助けをさせていただきます。

利息をカットして返済の負担を軽くするなら「任意整理」。

任意整理は、簡単な手続きで、利息をカットして返済のご負担を軽減したい方におすすめの方法です。とはいえ、借金の返済をするために何が適切な方法なのかわからないものですよね。

このサイトでは、東京都内で債務整理に対応してくれる弁護士・司法書士事務所を紹介しています。借金返済のご負担を感じている方は、一人で抱えずにまずは専門家へ相談してはいかがでしょうか?

東京都内で債務整理に対応してくれる
弁護士・司法書士事務所をみる

任意整理で頼れる東京の弁護士・司法書士事務所

まず、任意整理を考えている場合にはどこに依頼するかを検討する必要があります。そこで任意整理を依頼する場合におすすめの弁護士事務所について紹介。どのような事務所があるのかをチェックしてみることをおすすめします。

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任意整理のリスク

任意整理を検討する際には、そのメリットとともにどのようなデメリットがあるのかを知っておく必要があります。そこで、任意整理を行う際に考えられるデメリットについてまとめています。任意整理を考えている方はぜひ参考にしてみてください。

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任意整理を行える条件

任意整理はどのような人でもできるわけではありません。そこでどのような条件があるのか、という点について紹介しています。自分は任意整理ができる条件に当てはまっているのかをまず確認してみてください。

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任意整理後の住宅ローン

任意整理を行った場合、その後に家を建てたくなった時に住宅ローンは使えるのか、と不安になる方もいるでしょう。そこで、任意整理後の住宅ローンについて解説。また、住宅ローン返済中の任意整理についてもまとめています。

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任意整理が向いていないのはどのような人か?

任意整理を行いたいと思っていても、ケースによっては任意整理ができない・任意整理に向いていないという場合もあります。そこでどのようなケースが任意整理に向いていないといえるのかという点についてまとめています。

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任意整理後のクレジットカードはどうなるのか

任意整理を行った後にはクレジットカードはどうなるのか?といった疑問にお答えしているページです。今使っているクレジットカードは使えるのか、また今後新しくクレジットカードを作れるのかといった点についてまとめています。

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任意整理を行った場合家族への影響は?

債務整理を検討しているが、家族への影響が不安だという方もいるかもしれません。そこで、「家族に請求がくるのか」「家族の信用情報に影響はあるのか」「家族へ知られずに任意整理はできるのか」といった疑問についてまとめました。

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任意整理の流れとは?

任意整理は、個人再生、自己破産と比べて、簡易な債務整理の方法です。それでも最短で3カ月、裁判所の特定調停を伴う場合はそれ以上の期間がかかります。

任意整理を債務者が自ら行うことも可能ですが、貸金業者との交渉も自分で行うことが必要で、心理的負担は大きいものになります。また、弁護士の受任通知の効力が働かないため、貸金業者の取り立ても止まりません。

ここでは、任意整理の流れと期間を確認し、任意整理を相談できる弁護士や認定司法書士の活用について考えていきます。

任意整理の流れとは?

任意整理後に信用情報を確認するには?

任意整理後一定期間が経ち、クレジットカード作成の審査に不合格であったときは、その原因を知りたいと考えるでしょう。信用情報を知りたい人向けに、信用情報機関は信用情報の開示請求制度を設けています。信用情報機関は3種類あり、取引のある金融機関が加盟する信用情報機関に開示請求をすることが必要です。

ここでは、信用情報機関の開示請求の方法と開示報告の見るべきポイントについて紹介しています。

任意整理後に信用情報を確認するには?