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借金に関する手続きとして、過払い金返還請求と任意整理の違いがよくわからない、という方もいるのではないでしょうか。実はこのふたつには明確な違いが存在しています。そこでこの記事では、過払い金返還請求と任意整理にはどのような違いがあるのかをまとめています。
早速、過払い金返還請求と任意整理の違いについてご紹介していきます。どちらが自分に合った手続きなのかを考えてみてはいかがでしょうか。
過払い金返還請求と任意整理の大きな違いとしてあげられるのは、「手続きを行う目的」です。まず、過払い金返還請求の場合には、支払いすぎた利息を手続きによって取り戻すことを目的としています。それに対して任意整理は、手続きによって支払いが難しくなった借金を整理する、ということを目的としています。
まず、この点において2つの手続きには大きな違いがあるといえるでしょう。
さらに、手続きを行った後に個人信用情報機関に事故情報として登録されてしまうかどうか、という点についても違いがあります。いわゆる「ブラックリストに入るかどうか」という点です。
過払い金返還請求の場合には基本的に事故情報は登録されませんが、任意整理を行った場合には事故情報として登録されることから手続きを行った後に一定期間ローンを組んだり新しくクレジットカードを作ることができなくなります。 ただし、過払い金返還請求の場合でも借金の残額よりも過払い金が少ない場合には、事故情報が登録されてしまうことがあります。そのため過払い金請求を行う場合には、弁護士事務所などに相談することによって過払い金の金額よりも借金の残額が多い、といった状況ではないかどうかを確認すると良いでしょう。
また、過払い金返還請求は任意整理を行っている最中でも手続きを行えます。これは、任意整理の手続きを行っている中で利息の引き直し計算を行うため。このステップにおいて過払い金がないかどうかを確認することができるのです。 任意整理の手続きでは、これまでの支払い履歴を全て調査することになりますので、過払い金があれば見つけることができます。これは借金を返済している場合には返済に充てられることになりますし、すでに完済したという場合には過払い金として請求を行えます。
加えて、複数の貸金業者から借入している場合には、それぞれの業者ごとに過払い金返還請求と任意整理を分けて行うことも可能。そのため、1つの貸金業者からの借り入れを任意整理している、という場合でも他の業者は過払い金返還請求を進めていくことができます。このように、任意整理を行った場合には過払い金請求を行うことになりますが、逆に過払い金返還手続きを行ってから任意整理を行うことはできません。
また、任意整理が行われて和解交渉が完了した場合には、変更した契約内容について改めて書面で取り交わすことになります。この時には「これ以上の債権、債務はありません」といった内容の文面が記載されているため、任意整理の手続きを行った後には過払い金の返還請求はできません。
この記事では、過払い金返還請求と任意整理の違いについて紹介してきました。この2つの手続きの違いをしっかりと把握した上で、自分にはどちらの手続きが適しているのかを確認するようにしましょう。もしどちらの手続きが良いのかわからない、といった場合には弁護士や司法書士に相談することがおすすめです。適した手続きが選択できるように、早めに相談した上で検討すると良いでしょう。